「…ゆ、きさ…?」 「なに」 私が呼びかけると、目の前にあった真っ黒い世界が、急にユキさんでいっぱいになって慌ててユキさんから離れた。 そこで、ようやく状況を理解した。 転びそうになって、ユキさんに抱き止められて、転ばずにすんだらしい。 勢いよく離れた私を見て、ユキさんは少し不機嫌そうな顔をした。 顔が、オレ様なユキさんになっていた。