「え、ユキさん?」 少し不機嫌そうな、やくざモードなユキさんが書斎から出てきて巧くんの前に立ちはだかっていた。 巧くんの表情は背中を向けられていて見えないけれど、多分相当焦ってると思う。 声色が、背中が、『まずいまずい』って言っているように感じた。 私はと言えば、ユキさんがいるとは思わなくて慌てて巧くんの横、…ユキさんの前めがけて走り出した。 「ユキさんなんで…っうわ!?」 「は、」