「リビングにあったメモを見て、ユキさんが行けって。昴だけじゃ持って来れないって」 「…ユキさん、綾芽ちゃんのことよくわかってるね」 巧くんにそう言われて、思わず苦笑いをこぼす私と昴くんに、巧くんは意味がわかってない様子。 そんな巧くんに呆れたように、昴くんが口を開いた。 「綾芽ちゃんの手に持ってるもの見えないの?」 「? …キャリーバッグ?…綾芽ちゃん、逃げるつもりだったとか?」