ユキさんは私を“アヤ”と呼ぶ。 その度に、その声に不覚にもドキドキしていた。 …最近男の人に下の名前で呼ばれることなんてなかったからなぁ。 まぁ、本当は“綾芽”だけど。 「アヤ、聞こえてねぇの?」 「うひゃあ!」 驚いて変な声が出てしまった。 勢いよく後ろを振り返ると、タオルを腰に巻いただけのユキさんがそこに立っていた。 …せ、せくしー…ってか、え、なんで裸!?