ふ、と優しく笑ってユキさんは寝室をあとにした。 その背中を見送って、はぁ、と深いため息をこぼした。 …ほんとに、アメとムチが上手い人だ。 意地悪だったかと思えば、優しくなってみたり。 私の心拍数をいとも簡単に上げてしまう、その表情に、動作に。 …家政婦から彼女に格上げされた分、きっと今まで以上にユキさんのアメとムチから逃れられなくなってしまうのだろう、…と考えて少しゾッとした。