「っえ、」 ぐしゃ、と乱暴に煙草が灰皿に押しつけられ、直後ユキさんの唇が私の唇に重なった。 煙草のせいで、ユキさんの唇は少し苦かった。 呼吸をする間も与えてくれない激しいキスのあと、ユキさんは息一つ乱していない涼しい顔で私を見つめてきた。 「それを計算して言えないのが、綾芽だよな」 「…どういう意味ですか、それ」 「怒んな、褒めてんだから」