…落ち着かない。 今日、というより数時間前に会ったばかりの男の人と、その人の部屋でふたりきり、なんて。 「…落ち着きねぇな、お前」 そわそわしている私を見て、彼は煙草の煙を吐きながらそう言った。 彼の口から出た煙が、ふわりと私と彼を一瞬遮って、消える。 煙に目を奪われていると、ぐっと顎を掴まれて、彼と目が合った。 「余所見してるなんてずいぶん余裕あるね」