肩で息をする私に対し、ユキさんは涼しい顔をしていた。 とん、とソファに倒され、起き上がる前にユキさんに組み敷かれてしまった。 酸素が足りない頭では、回転が遅くて状況を理解するのに時間がかかる。 …この状況は、何なの? ユキさんは何を考えてるの? ユキさんの言葉に首をかしげつつ、ユキさんを見つめると、ユキさんはあからさまなため息をこぼした。 呆れたような、バカにしたような表情付きで。 「俺の返事も聞かないで、カオリのこと散々言って、出ていって。」 「……」