【完】キスミーアゲイン



『パンッ』


呆然とそこに立ちつくしていると、2度目の銃声が聞こえた。

ぼんやりとした思考で音がした方向を見ると、倒れたのはカオリを撃った俺の上司で、撃ったのは…要だった。




「あぁああああ…っ!!!!」

「急所はわざと外した。…ユキの帰りが遅いと連絡があって、探してたんだ。」


響き渡るその男の声も、要がどうしてここにいるのかという説明も、俺の頭には何一つ入ってこなかった。

ただ俺は、力が抜けたようにその場にしゃがみ、血が溢れているカオリの胸部を必死に手で押さえていた。