【完】キスミーアゲイン



『パンッ』


今でもあのときのことは鮮明に覚えている。

いつも耳にする乾いたその音と共に、たくさんの『お客さん』が俺の目の前で倒れていた。




…その音と共に、たくさんの命を簡単に消してきた罰が下ったんだ、と思った。


その音と共に倒れたのは、『お客さん』でも、俺でもアイツでもなくて、カオリだった。

…カオリは、俺をかばったんだ。




「……カオリ、?」