「…カオリは無事に解放してくれるんですよね?」 「正人!」 「あぁ、もちろんだ」 「…わかりました。俺が今日取り立てた手柄、差し上げますからカオリを返してください」 パサ、と書類を渡すと、カオリがすごい勢いで俺の方に走ってきて、その勢いのまま、カオリは俺に抱きついてきた。 わずかに震えるカオリの体を、俺はそっと抱きしめた。 「…ごめん、カオリ」