【完】キスミーアゲイン



…俺は、ただ一生懸命に、桑田さんに認められたくて、カオリに認められたくて、それだけだったのに。


神様は、何よりも残酷だった。

信じていない神を、あんなに恨んだのは、あのときが最初で最後。




「ユキ、いいだろ?」

「だめよ、正人!」

「…カオリ、」

「いいよなぁ、ユキ? 手柄ひとつで、オンナの命が買えるんだからよ」

「だめだってば、正人!どうせ嘘よ!私もアンタも、助けてなんてもらえないわ!」