カオリに惹かれたのは必然だったかもしれない。 顔は特に美人でも、可愛いわけでもなかったと思う。けれど、笑った顔は、別だった。 周りの空気を一気に明るくしてしまうような、笑顔。俺は、カオリの笑顔が好きだったし、救われていた、と思う。 「カオリ、帰るぞ。送る。」 「んー…あと5分待って。これだけ終わらせたいの」 「お前の5分は長ぇんだよ」 「うるさいよ正人」