「……ふぅん、そう。 ほんとにそれだけ?」 「そうです、」 私の言葉を聞くと、ユキさんはふっと表情を緩めた。 「ビビんな。別にお前を責めてるつもりはねぇよ」 「……」 「カオリ、ね。」 ユキさんは『カオリ』という名前を口にし、口を閉じた。 再び手に持っていた写真立ての写真を見、ふっと哀しそうに笑った。 そこに、いつものユキさんは居なかった。