ユキさんは『カオリさん』という名前に少しぴくりと反応した。 けれど、私がその名前を言ったことに対しては驚かず、冷静にそう言った。 …やっぱり、あのとき昴くんと話していた内容を聞いていたんだ。 「っ、…話、を、」 「『カオリ』って名前を出したって言うなって昴が言ってたあたりから、な」 ユキさんはそう言うと、写真から私の方に視線を移した。