「…アヤ? ファイル見つからねぇの……」 私の異変に気付いたユキさんが、立ち上がって私の方に寄ってきて、真後ろに立ったのが気配でわかった。 私が持っているものを見て、息をのんだのも聞こえた。 それくらい近くにユキさんが居て、普段の私だったらきっと顔を真っ赤にしてしまっていたに違いないだろう。 けれど、そのときは別だった。 「…その写真、か」