マンションの中に入って、エレベーターに乗りこむ。 彼は迷うことなく14のボタンを押して、一言も喋ることなくエレベーターのドアを見つめていた。 腕、というか手首は掴まれたままだった。 どうやら15階建てのマンションらしい。 エレベーターのボタンは15まであった。 とっくに日付など変わっている時間帯なんだろう。 時刻は確認できていないから、はっきりとはわからない。 携帯を取り出そうにも怖くて取り出すことは出来なかった。 …没収されると困るし。