パサ、パサ、と紙が擦れる音だけが部屋に響く。私もユキさんも口を開くことはなく、作業に集中していた。 しばらくして、まとめた書類の山が出来てきた頃に私はユキさんの方を振り返った。 「ユキさん、まとめた書類はどうすればいいですか?」 「机の上にファイルが散らばってるから、同じ番号のファイルにとじといて」 「わかりました」