「…ほんっとお前は…なんで榊と要に連れてかれてんだよ」


ユキさんの車に乗って帰る途中、ユキさんは呆れたように私にそう聞いてきた。




「えと、鍵を閉めたのに何故か入ってきて…」

「はぁ? あれ、指紋とかあるのに入ってこれるわけ…あるか。要がいやがったもんな」

「要さん、ですか?」

「あいつの指紋は、前に無理矢理登録させられたからな。でも、指紋だけじゃなくて鍵もいるんだけどな…。ま、どうせあいつはこじあけたんだろうな。あー鍵変えないといけねぇのかよめんどくせー…」