「…桑田さん、」 「大丈夫、私は何もしてないさ。ただ、ちょっと会ってみたくなった。それだけだよ」 「綾芽ちゃん、そろそろ帰る時間みたいだよ」 こそっと要さんが耳打ちして、立つように言うので、私は腰掛けていたソファから立ち上がってユキさんの方へ歩いていった。 振りかえると、要さんと榊さんがにこにこしながら手を振ってきたので、なんとなく振り返した。