「社長との時間、合ってるよね?」 カウンターのところに居た女の人に、要さんはそう話しかけ、奥に入る許可を取っていた。 …って、あれ。 『社長』?やくざのボスって、社長なの? 不思議に思って、隣に立つ榊さんを見上げたけれど、榊さんはにこりと笑うだけで何も教えてはくれなかった。 「えぇ、社長がお待ちです。来たらすぐ通すようにと言われています」 「じゃ、遠慮なく」