【完】キスミーアゲイン



「…なんか、ユキが頑なに嫌がってた理由、わかったかも」

「え?」

「…いや、なんでもない。ほら、行こう。時間に遅れるしね」


榊さんは私の背中を優しく押して、歩くように促した。

それに従って、私は足を動かし、先を歩いていた要さんの後を榊さんと追いかけた。




…私、何か変なこと言ったんだろうか。

2人の、私の言葉を聞いたときの反応。

信じられない、と瞳で訴えられたような感じ。