2人の会話を右から左に流しながら、窓の外を見ていた。 あと5分で着く、と言っていたけれど、今は街のど真ん中。 …組って、裏とかにあるんじゃないのかな。イメージ的に、目立たない場所にありそうな気がしていたのに。 「綾芽ちゃん、コレつけて」 「え、っわ、」 そう言われて榊さんにいきなりかぽっとウイッグをかぶせられた。 それをちゃんと合うように直し、意味がわからずに榊さんを見ると、にこにこと満足そうな笑みを浮かべていた。