ミラー越しに目が合った要さんは、にこっと笑うと、また運転に集中した。 …『正しい人じゃないから』…。 やくざをやっていることを意味しているのだろうか。 私は、ユキさんについて、本当に何も知らないんだな、と思うと少し悲しくなった。 「要ー、あとどれくらい?」 「あと5分」 「少し遊びすぎたか? 時間間に合いそう?」 「余裕。」