【完】キスミーアゲイン



「……、要、てめぇユキにチクるつもりじゃ…」

「さぁ? 俺、口軽いからなー」

「…まじ最悪。」

「ユキさんに『正人』って言うの、だめなんですか?」


イマイチ2人の会話の意味がよくわからなくて、思わずそう尋ねると、榊さんがきょとん、とした顔付きになった。

要さんの方は、ちらりとミラー越しに私を見て、前を見ていた。


車が、静かに動き始めた。