私の戸惑っている姿を見て、彼は妖しい笑みを浮かべたまま、口を開いた。 「あぁ、大丈夫。殺したりはしないから。…多分。」 「(た、多分って!)」 「…わかってると思うけど、逃げられないからね。」 その言葉と同時に、彼は私の手首をがっしり掴んで引っ張って、私を立たせた。 急に立たされたので、ふらりとよろけて彼に倒れこんでしまった。 …わ、どうしよう。 「…体に力入らない……」 「は?もしかして腰ぬけたの?…ちっ、めんどくせぇな」