悠介は空を抱きしめ、何も無い空間と会話している親友を見た。亘には見えているのか。そこにいる、何かが。見えているとしたら、それはこの世のものではない。悠介は信じたく無かった。
「亘!それは幻覚だ!常識的に考えろ!そんな事ある筈がない!」
必死に叫んだが、亘は冷たい目でこう言い返した。
 「目に見えない現実よりも、目に見える非現実を僕は選ぶよ。僕にとって、この少女だけが現実だ。」