一瞬のうちにお母さんの顔は喜びに溢れかえり、涙が両頬を伝った。

『まさか、今日、その素敵なことばを聞くとは思わなかったわ』

 そして、まさおを抱きしめる。

『お母さん、頑張っちゃうからね!』

 お母さんはやる気に燃えていた。

 中途採用シングルマザーの異例の秘書課配属に社内では多少批判もあったようだが、思わぬ優秀さ、そして、笑顔と明るさが批判を黙らせた。

 お母さんのやる気と明るさは確実に秘書課の新たな活力源になりつつあった。