女王様はメイド様?!①【完】

目は翔とにた切れ長で、
メガネの下で輝く漆黒の瞳。


翔に負けないくらい整った顔立ち。



そんな男の子がクラスに居たことに気づかない
あたしって…



「や、ほんとありがとう」



「大したことじゃないよ」



「あの…さ…」



非常に聞きづらいんだけど…



名前知らないんだ…


そんなあたしの心中を察してか、


「あ、瀬川勇希(せがわゆうき)」



丁寧に教えてくれた。




「あ、ごめん。あたしは「岡本由凛、でしょ?」



「あ、うん。何で知ってんの?」




「知らないほうがおかしいと思う。」



「そっか」



そりゃ、7月になるのにクラスメイトの名前知らないほうがおかしいよね。



「あのさ、ケーバン交換しない?」


「いいよ」



なにも気にせずポケットにしまってある
携帯を取り出した。



赤外線通信。


「断られると思った」



ははっと少し照れながら言う瀬川君。



「だって断る理由なんかないし」



「そっか…なんか岡本って変わってんな」


「え?変わってる?どこが?」


「うーん…なんとなく?」


「なにそれ?」


初めて話すのになぜか普通に打ち解けていて、
会話が弾む。