女王様はメイド様?!①【完】

ま、漫画や小説の名前はどんなことがあっても
忘れたりしないんだけど…



そんな疑問を抱きながら理科の授業が終わった。



やっぱり教えてもらったのにお礼の一つ言わないのは
いくらなんでも非常識。


だからすぐに向かった。


一番前の席の男の子のとこへ。




「あの………」



「あ、岡本さん」




参考書を読んでいた目線を上げ、あたしと
向き合う。



「さっきはありがとう」



「いや、別にそんなお礼を言ってもらうほど
のことじゃないよ」



そういった男の子はちょっと可愛く思えた。


いかにも頭よさそうな男の子。



ちょっとかかわりにくい…なんて思ってしまいそうだけど、



ニッと微笑んだ男の子は、
とても人懐っこく見えた。



銀縁メガネ。



身長は180くらい。



立ち上がった男の子を見てちょっと驚いた。



華奢な割りに高い身長。



翔よりも5センチくらい高い。