「平熱だな」


「う、ぅん」



本当にこうゆうのやめてほしい…



恥ずかしくて顔の火照りが冷めないよ。



て、っていうか顔…顔ちかいっっ



なんでおでこはなしてくれないの?




「顔ち、近い」



「なに照れてんだよ」



「別に照れてないし」



「意識してんなよ」



「ぃった」



そういってあたしのおでこにでこピンをして
再びソファにすわった。



翔ってホント…急すぎる…


急すぎてついていけない…



どうせなら名前も変えてしまえばいいのに。



翔じゃなくて『急くん』とか『突然くん』とか。



そしたらちょっとは緊張しなくなるのに…



ってあたし翔になに緊張してんだ…



あたしの心臓はいつになく騒がしかった。




「じゃあ、あたし帰るね」



「あぁ」



「どっか行くの?」



「は?お前おくるつもりだけど」




「あたしを送るの?」



「なんだよ。嫌か?」




「いや…別に…ありがとう」



「おう」



まさか翔が送ってくれるとは思わなかったから
ちょっとビックリした。



でも嬉しいかも…



翔のうちを出てあたしの家に向かった。




「ねぇ、なんで送ってくれるの?」



「夜はあぶねぇから…お前一応女だろ?」



一応女だろ?って…

まぁ…一応女ですけど…



「そっか。」