「はなして!!しょぉっ」


抵抗するあたしにお構いなしに翔の手はとまらない
あたしがしゃべろうとすると口を塞いでくる。



嫌だよ…


嫌だ…


「しょぉ…っうっっはな…して」


目の前にいる翔は翔じゃないみたい。



口が悪くても俺様でもドSでも…


翔はこんなんじゃない。



あたしの頬には次から次へと涙が流れていく。



このあいだもこんな事あったけど、

そのときはすぐ離してくれたのに。


嫌だ…

嫌だ…

翔が怖い…


はなしてっ!!!!

精一杯のちからで翔を押し退けた。


「…っ………」




あたしは翔を置いて帰った。


走って走って…


泣きながら走り続けた。


あたし翔と出会ってから泣きすぎだ。

毎日泣いてるきがする…






胸が苦しい…




「はぁ…はぁ…」

混乱と走ったせいで息切れが激しかった。


息切れが直っても

この胸の痛みは消えなかった。

胸が苦しくて…

最後にみた翔の顔が怖くて…


あたしは一睡もできなかった。