「なんでこうなるの…」


「いいじゃんっ
翔くんにお姫様抱っことかうらやましすぎるよぉ」


「あたしの羞恥心は完璧に砕かれたよ」



もうにでもなれって感じ…


あたしたちは大浴場に来ている。



旅館自体もキレイだったけどお風呂のほうもキレイだ
湯加減もちょうどいいし…


これでさっきのある意味恐怖体験がなかったらもっと最高なのにな…なんて

終わってしまったことを悔いてもどうにも
なんないんだけど。


「あの、前から気になってたんですけど、
由凛ちゃんって早見くんと付き合ってるんですか?」


「いや、付き合ってないよ」


あさみちゃんは同級生だから
敬語使わなくていいよっていっても直らないみたいだから敬語のままでいいや。

本人もこっちのほうがいいらしいし…

「えっ?違うんですか?お二人は
仲がいいみたいなので…」


翔と付き合ってんの?


って最近よく聞かれるんだよね…
なんでそう思うのかがわからない。



あさみちゃんにもそう思われたんだ。



「全然仲良くなんかないよ。
だって翔すっごいマイペースで我儘で俺様で人のことこき使ってくるし…
どっちかっていうとあたしの敵みたいな感じだよ」


あたしは翔について思っていたことを素直に言った。


なのに