女王様はメイド様?!①【完】


「もう大丈夫だから」


はぁ。と短くため息をついて子供をあやすように
あたしの頭を優しく撫でた。


「ホントにっ?ぅぐっ」


涙が次から次へと流れてくる。


「あぁ」



「黒いマントも?」


「…あぁ。」


「あたしたち助かったの?」



「あぁ」



ようやくその言葉にあたしは翔から体を離した。


はぁ。本当に死ぬかと思った…


なんかあの世が一瞬見えた気がしたし…



「とりあえず病院いくか」



やっと泣き止んだあたしに向かって言った。


「なんで?」


なんで病院?どこも怪我してないよ?


殺されると思ったけどなにもされなかったし

何処も異常ないし…


翔はなぜか涼しい顔をしていた。


なんで?


さっきあんな怖い思いしたのに翔は怖くなかったの?