「とーおーいーよ~」


涙を流しながらしがみつくひかるをけむたがりながら視線を泳がす。
もちろん探しているのは……


「あ!あそこに高橋くん発見!行ってこいひかるちゃん」


「ぅひゃい!(はい!)ありがとっ」


優しいなー、と思いながら晶のもとへ走っているひかるとは反対にやれやれと、一息つく舞だった。









「晶~っ!クラス一緒じゃなかったよー!」


「そーみたいだな。ま、こんなもんじゃない?」


「…………へ?」



いやにさっぱりした彼の態度にビックリするひかる。
それに気付いて晶がなんだ?という顔をしていた。


「いやいや、晶さん。あーた(貴方)、もしや……寂しくないの?」



「うん。」



あっけらかんとした答えに固まってしまった彼女。
それを察してか、彼が口を開く。


「え?なに、寂しいの?」


「さっ、寂しくなんかっ……」

ちょっと悔しくなり否定をしようとしたら彼の言葉が遮る。


「ま、大丈夫だろ。」



そう言いながら「またな」と手を振り自分のクラスに行く晶。
対照的に頭を抱えるひかる。



ぜんっぜん大丈夫じゃなーいっ!


ひかるはさっき登校していたときの光景を思い出した。


目がハートになっている女子高生の視線の先は自分の彼氏。





(いやーーーーーっっっ!!!)





fin.