最近嘔吐感が耐えない。でもそんな事はどうだっていい。なぜなら今から行かなきゃならないところがあるからだ。もう時間はせまっていて急がなくては私の存在すら危うくなってしまう。この期に及んで自分の体調を気にしている暇などないのだ。








ちょうど二ヶ月前の話。私はいつものようにつまらない仕事を淡々とこなし、帰路に着こうとしていた。だがこの帰路が私の人生を左右する、歪んだ交差点であることに未だ気付きもしていなかった。


「…」

賑やかな街の中で後ろから小さなちいさな声がしたので振り向くとそこには見ず知らずの女の子がいた。


小学校中学年くらいの女の子。



私は話がよく聞こえず、その子の話をしっかり聞くことができなかった。

街を離れ後ろを見た時、もう女の子はいなかった。