先程から見えていた星の瞬きは、姫羅木さんが上空で何やら暴れている光だったのだ。

「暴れているとは失敬じゃな」

憮然とした顔で、彼女が俺を見る。

「紅霊(くれ)が押し迫ってきたから追い払ってやろうとしておるのに、何という言い草じゃ」

「紅霊?」

俺は姫羅木さんの言葉が理解できず、オウム返しに問い返すが。

「危ない!」

その質問に答えるまもなく、姫羅木さんは俺を突き飛ばした!

同時にその場に降り注いでくるのは、夜の闇を引き裂くという形容がピッタリの、青白い稲妻!