そう思った瞬間。

「!?!?!?」

ドカン!と。

俺の歩いている雪道。

その雪を蒸発させ、あまつさえアスファルトを粉砕して小さなクレーターを作るほどの勢いで、白い人影が俺の目の前に落下して来た!

「おぉ…千春じゃないか…今仕事の帰りか?お疲れじゃったの」

「ななな…」

物凄い登場の仕方をしておきながら涼やかに微笑む、白いセーターにロングスカートの女性を見る。

「姫羅木さん!?」

先に説明した、この冬城を守護するというお稲荷様の狐霊。

その姫羅木さんが、突然夜空から降ってきたのだ。