しっかりと戸締まり確認をして、俺は家路につく。

…ザクザクと、凍り始めた路上の雪を踏み締めながらの帰り道。

寒い。

この間、山を降りた所にある葺山(ふくやま)という大きな街で買った、新しいダウンジャンパーを着ているのだけれど、それでも寒さが身に沁みる。

元旦の朝は相当に冷え込みそうだ。

「はよ帰ろ…」

呟いた言葉と共に、白い息がモヤモヤと消えていく。

誰もいない真っ暗な雪道。

シンと静まり返った夜道は、寒さ以上に身を引き締まらせる。