姫羅木さんが。

紅霊が。

毒気を抜かれたような顔で、上空から俺達を見下ろす。

「シュナ兄、あの紅霊と知り合いなん?」

「紅霊?何だよそれ!アイツは俺の彼女で、えと…その…」

シュナ兄の声が小さくなる。

「魔女…だよ…善良な魔女なんだ!差別したりしないでやってくれよ!アイツは人間に危害なんか加えないいい奴だから…アイツはもう、魔女狩りの時代に散々辛い思いをして…」

「ちょ、ちょちょ!シュナ兄ストップ!」

何だか話がネガティブ且つ見えなくなってきた。

「落ち着いて説明してぇや、シュナ兄。あの紅霊は…悪い奴じゃないん?」