店内の掃除は終了。

ようやく俺も帰宅できる。

…冬城の町…町といっても本当に小さな町だけど。

その立ち並ぶ僅かな家々に、温かな明かりが灯り始める。

そろそろ年越しそばを食べながら紅白歌合戦でも見ているんだろうか。

そんな微笑ましい光景を思い浮かべながら、スーパーのシャッターを下ろし、きっちりと施錠する。

「今年も一年お疲れじゃったの、俺」

誰が言ってくれる訳でもないので、自分で自分に言い聞かせてみた。