円を描く姫羅木さんの四尾。

その円が、次第に炎を纏っていく。

「紅霊…お主ならばこの炎の意味が分かろう…」

「……」

紅霊は引きつった表情のまま、姫羅木さんを見つめていた。

「この炎は、恐らくはお主の禁呪とやらと同種の炎じゃ…葬送の炎…わらわが扱える中でも最上級の神通力…色々と制約があるのであまり使いたくはないのじゃが…お主ほどの人外相手では致し方あるまい」

それは、姫羅木さんがあの紅霊を認めた証。

そして、お互いに命を懸けて相手を葬ろうとしている証拠。

「…行くわよ、狐霊!」

覚悟の絶叫と共に、紅霊が自らの胸を貫こうとする!

そして次の瞬間!