稜君は何か言いたげだけど、何も言わなかった。 「最前列だね!凄く楽しみ!」 「あぁ。つーか待ち時間が長すぎ。」 「仕方ないよ。これ人気だもん。」 何か今日は稜君と話せる。 何でだろう…? 稜君もちゃんと応えてくれるし。 あたし今日が人生で一番の幸運の日かな? 「はぁ~楽しかった。」 「よかったな百合。でもはしゃぎ過ぎ。」 「え………」 今、百合って…。 ヤバいっ…顔が綻ぶ。 「どうかしたのか?」 「ううん!!何にもないよ!!」 ただ嬉しいだけ。