「おい。」
ずっと黙っていた東野君が口を開いた。
「別に強くなっても、いじめが終わるとは限らねぇぞ。」
「は?何言ってんのよ稜。強くなれば相手をギャフンと言わせられるじゃん!」
「はぁ~…。」
呆れたような溜め息をつく東野君。
……でも、
あたしも東野君の言うとおりだと思う…。
強くなったって、いじめが終わる訳ない。
「俺が言いてぇのは、タダ強くな…」
「いいんです!!」
「……は?」
「別に今さらいじめに対して何も思わない。どんな強くなっても地味なあたしはいじめの対象なんだよ!!」
だから……



