ショーウインドー越しにキラキラ光る指環を見つめながら口を噤んだ俺を秋奈が訝しんで見上げた。



「ますます会ってみたいなー。善雅先輩の彼女」


「絶対イヤだ」


「えー。そうやって隠されたら余計に会いたくなるー」



一目見ただけじゃきっと俺が日菜琉をイイオンナって言う理由なんてわかんない。


静葉を知ってるなら尚更……。



見た目に華やかな静葉のが良いって言うのは目に見えてる。



「もう良いから離れろって」


「ヤダー。善雅先輩が彼女に会わせてくれるって約束してくれるなら離れる」



グイグイと遠慮無しに纏わり付いた腕に秋奈が力を入れる。



なんて言われたって日菜琉に会わせるつもりは無い。



結局、会わせろ嫌だの押し問答は秋奈の家に着くまで終わらず。



どうせこの腕に居るのが日菜琉なら良いのに……。



なんて思いながら、秋奈の家の玄関をくぐっていった。