腕を振りほどいたらまた抱き付き、しまいにはその場に留まってショーウインドーにかじりついてる始末……。



「もしかして彼女にプレゼント?」


「他に誰にやるんだよ」


「善雅先輩もこんなの付けたがるんだ。意外」



そう言いながら秋奈は俺の手を握り、顔の前まで持ち上げる。



そのまんまニヤニヤと食えない嫌味混じりな笑い方で俺を見上げ、



「引く手数多のイケメンの癖に彼女の男避け?」



クスクスと鼻で笑うような声で言い放つ……。



小ばかにされたみたいで腹が立つけど、図星なだけに何とも言えない。



「男避けが必要な程イイオンナなんだ」


「それもあるけど……」



何より日菜琉が俺にとってどんだけ大事か。


それが形として伝わればって思うのが一番。



今まで体の関係しか結んでこなかった俺の、初めての本気ってのを伝えたい。



しつこいって眉を顰めるまで、何回も何回も伝えてやる。