「……だから今は大切にしてんだろ」


「そんなの当然でしょっ! 本当だったらねーもっと日菜に似合った誠実な人と付き合って欲しいんだからっ」


「善雅の場合、人の三倍大切にしてやっとチャラになる」


「……おまえらなー」



日菜琉と正式に付き合い始めて三ヶ月目。



毎日毎日飽きもせず昼休みになる度にこうして、俺の痛いところを重点的になぶるのが日課になってる。



……あぁ。
頼むから日菜琉、早く来い……。



「……また喧嘩してる」



同じクラスの相沢から遅れること数分。


カーキ色のお弁当袋を提げて現れた日菜琉が、俺たちのやりとりを見るなり眉を下げる。



「喧嘩じゃないよ。戒めてるんだよ」


「そうよ。……本当なら日菜琉と付き合うなんて許せないんだから」


「しつけー……」



そう付け加えるなり、相沢はまた俺を睨みつける……。