善雅くんの長い指がわたしの手に絡む。



善雅くんの匂いと体温に包まれる幸せが、不意に窓ガラスに映った自分の姿で我に返ってしまう……。



綺麗な善雅くんの横顔と……平凡なわたし。



やっぱり、善雅くんを好きなだけではずっと一緒に居られないのかな。



いつかわたしをこうして抱きしめてくれることも無くなるのかもしれない。



そう思ったら、込み上げる涙を堪えるのが精一杯だった。