「少しずつで良いからもっと俺を好きになれ。そしたら絶対おまえのこと貰うから。いいな?」



言い切った口調は俺様だけど、それもホントは照れ隠しだもんね。


わかってるよ……善雅くんの気持ち。

わたしだって、善雅くんにならって思ってるからね。



「うん。今でも大好きだよ」


「だから……それが誘ってるって言ってんだよ! もう良いから寝ろっ」



渋い顔をした善雅くんがこう言って、自分の髪をグシャグシャと掻いている。



これも照れ隠し……かな。


完全にわたしに背中を向けちゃってる。


仕方ないから大人しく寝よう。

これ以上心配かけちゃいけないし。



「善雅くん」


「なんだよ」


「来てくれてありがとう」



最後に伝えてまぶたを閉じたら、そこに柔らかいキスが降りてきて……。



「……俺だって好きに決まってんだからな」



おまじないみたいに囁いた声がわたしを眠りへと誘ってくれる。



ぎゅっと握り締めた手にはお揃いの指環の感触。


わたしたちずっと一緒だからね。



この指環がここにある限り……。