ナルシストに恋しちゃいました

ダ ダ ダ ダーン!

なんでこの学校のチャイムはベートーベン作『運命』なんだろうか。

「チャイムが鳴ったね。HRだ。早く席につかないと、あのメタボうるさい」

優空がそう言うと、

「メタボではない。ぽっちゃりだ」

後ろにメタ……げふんげふん。
ぽっちゃりな山下先生がいた。

「…………あはは」

優空はごまかしの笑みを浮かべ、私の腕をつかみ席についた。

周りの女子は今か今かと、そわそわしている。
もちろん、転校生が来るのを、だ。

横をちらりと見ると、となりの席の舞と目があった。
今日もうすい茶色のくるくるパーマのボブが可愛い。
本当におしゃれさんだな、と思う。

「ねぇ、咲」

「えっ、あ、なぁに?」

いかんいかん。
自分の世界に入っていた。

「転校生格好いいらしいけど、私はいつまでも咲一筋だからね」

そう言われウインクをされた。

確かに私は黒髪ベリーショートで、格好いい女らしい。
でもこれは長いと面倒くさいからなんだけどなぁ。